第2戦 9/13〜14 関西大会・神戸 Gスケートパーク


AJSA CHAMPIONSHIPS史上初のジャムセッション神戸”g”のモンスターコースでの開催。
サバイバルバトルを制し、アジアンX出場権を手にしたのは誰だ。

今年の最終戦、element DREAM MONEY CUPと称し、人気ブランド”element"を特別協賛に
向かえ、残暑厳しい神戸で開催された。

今回より競技形態を予選は1分2トライと従来通り。決勝を4人1組のジャムセッションと、
大きくルールを変更して行なわれた。本来は予選の前に予備予選としてシード権を持たない
選手でジャムセッションを行ない16名にしぼった後、シード権保有選手を交えて予選を行う
のだが、今回、エントリー選手が少なかったので総勢25名による予選からスタート。

この予選で、1位から杉本瑛生、瀬尻陵、西川誠、阿部涼太と上位4名が中学生以下。
ベテラン選手は予選用の滑り(ルーティーン)だったのだろうが、かなり面白い結果となった。
以下の詳細は、リザルツを観て頂くとして、最近のキッズ達はパークの滑り方が非常に巧い。
アールの使い方はもちろんだが、レッジ、レール等、ストリート要素の強いセクションでも、
臆する事無くガンガン入ってくる。トップの選手に限った事かもしれないが、初めてのパーク
でも柔軟に適応している様に思えた。



翌日の決勝からは、初の試みとなるジャムセッション形式でコンテストが進められる。
前日の予選結果を元にグループ分けされ、1ヒート4人で5分間滑り、上位2人が勝ち抜ける
サバイバル。

1ヒート1組目のメンツは、杉本瑛生、白江正義、立本和樹、小澤正道の4名という1番の激戦。
パーク特性を活かた滑りで各種トランスファーを決める杉本。得意のフリップバックサイドグラブを、
クォーター、バンクtoバンクで決めまくる白江。予選で足首を負傷しながらも、メイン、スイッチ
スタンス関係なくコースを攻めた立本。そして日本一のブっ飛び男、小澤。
この激戦を勝ち抜けたのは、回し技を高いメイク率で会場を沸かせた、白江正義と、ジャムッセッ
ションとなると他を圧倒する派手なライディングの小澤正道の二人。

2組目のメンバーは、阿部涼太、才哲治、内英二、橋本和典の4名。
このヒートを1位抜けしたのは才哲治。続いて東北の若手、阿部涼太。内と橋本はバンクやレールで
難易度の高いトリックをメイクしていたが、コース全体を使いこなせず惜しくも敗退してしまった。
ストリートを得意とする選手には厳しいコースかもしれない。

3組目、西川誠、岡洋佑、松井立、薬師神和昭。1位通過は関東の若手アマチュアライダー西川誠。
まだ中学2年生だが貫禄のあるライディングを披露。続いて岡洋洋佑が抜け出した。松井もバートラ
イダーらしくアールを果敢に攻めるが敗退。薬師神は対照的にストリートセクションをクリーンに
攻め続けたが勝ち上がる事が出来なかった。

1回戦最終組、瀬尻陵、宮崎聖、池元拓、清水潤の4名。
このヒートは、やはり瀬尻が1位通過。2位争いは、久しぶり参戦の池元がクォーターでのフロント
フリップインディーグラブを決める等スキルの高さを魅せつけた。宮崎もアールtoバンクでのビッグ
エアーやレッヂでのブラントスライド等、緩急分けたライディングでセミファイナル進出には届かな
かった。清水もストリートセクションを果敢に攻めるも攻めきれず1回戦敗退となった。




2回戦1ヒート目は、白江、小澤、才のトッププロに、東北の若手、阿部を加えた4名。
トップ通過は才哲治。この男の持ち技はいくつ有るのだろうか?
続いて白江がスーパーファイナルへ駒を進めた。小澤と阿部は、この後の敗者復活戦へ回る。

2ヒートの顔ぶれは、ベテラン池元、中堅の岡、関東アマ西川に加え、小学生ながらトッププロの瀬尻
とバラエティーに飛んだ組み合わせ。
最初に抜け出したのは、天才、瀬尻陵。これは順当といったところ。2位通過はダークホース西川誠。
3位池元と4位の岡が敗者復活戦へ回ったが、このヒートで、岡のチャレンジした落差3m以上の
オーリーダイブで、何度スラムしても立ち上がる岡の闘志に、会場が一つになる。

2回戦を敗退した4名による敗者復活戦。勝ち上がれるのは一人。ただでさえ体力勝負のジャムを、
1回多くこなす訳で勝ち上がったとしても、不利な状況で決勝戦に臨まなくてはならないのだが、
そんな事は言っていられない。勝ち上がれば賞金圏内となるし、何より多くのギャラリーが見守る中、
怠けた滑りを出来る訳が無い。各選手これが決勝戦というばかりの全力でコースを駆け回る。

最後のチャンスをモノにしたのは、終止迫力のあるバックサイド360°等で会場を沸かせた小澤正道。
岡洋佑も、前ヒートからチャレンジしていたオーリーダイブを最後にメイクしたが、惜しくも敗退。


岡のスーパーダイブ!



いよいよ今大会のメインイベント、スーパーファイナル10分間のスタート。
スタート直後、勢い良く飛び出すのは西川誠。アールtoバンクを飛び越え、ヒップ、スパインと、
エアートリックをつなげた後、レールでのスミスやフロントボードスライド等等、X−ドーム仕込み
のトリックを繰り出す。
敗者復活から勝ち上がった小澤も、同様にアールtoバンクでのブっ飛び360°から正面クォーターで
スタイリッシュなステールフィッシュ等、アールを中心に攻めまくる。
白江はクォーターでバックサイドフリップインディグラブ、キックフリップフェーキー等、高さと切れ
のあるトリックに加え、クォータから高さのあるステージへのアプローチ。
瀬尻はビッグエアー、ロングディスタンスのレール、クオーター、レッジと、コース全体を巧く使い
こなし、ジャッジやギャラリーにアピール。
才哲治もコース内の全てのセクションを使いこなす。5人の選手の中で技数とオリジナリティーでは、
抜き出ている。
スーパーファイナル開始から、規定の10分終了間近、ジャッジから3分間の延長がコールされる。
派手さと迫力では小澤、テクニックでは白江、正確さとルーティーンワークでは瀬尻、オールラウンド
に巧いのは才、勢いだけなら西川と、10分間では勝負がつかない。ジャッジもかなりもめていた様子。

そして、その13分間の死闘の末、表彰台のセンターに立ったのは、沖縄の才哲治!
巨大ステージからの、ボンレスハンドフリップや、延長戦最後に封印していたビート板エアーも一発で
メイクする等、その高いスキルと、バラエティーに富んだトリックの数々、楽しませてもらいました。
ありがとう!才。そしておめでとう。
2位に、白江正義。3位が小澤正道、4位に瀬尻、5位が西川という結果。


5位の西川誠(ベニハナ)


4位の瀬尻稜(リーンtoテールonBox)


3位の小澤正道(360)


準優勝の白江正義(キックフリップフェーキー)


優勝の才哲治(ボンレスハンドフリップ)

今回初の試みとなる、ジャム形式でコンテストを開催しましたが、個性のバラバラな選手が一斉に
コースを駆け回り、デモ状態となりギャラリーの盛り上がりは最高でした。
AJSAチャンピオンシップスは来年以降も、このジャム形式のコンテストで進めていく予定です。
選手には過酷なスケジュールになるかもしれませんが、実力を発揮できるシステムでもあります。
そして観ているギャラリーには、迫力のあるエンターテイメントとして、見応えのあるスケートショー
が目の前で繰り広げられます。スケーターなら絶対見に来るべきですよ。