プロ第2戦目となるエレメントカップとの同時開催とあって、多くのギャラリーが見守る中行われた「関東サーキット第3戦」は、天候にも恵まれて大いに盛り上がった。
予選ではビッグセクションを恐れず果敢に攻めた選手が多数いたが、いずれもメイク数が伸びずに敗退、逆に決勝に残った選手の殆どは、実力を抑えて手堅いトリックを確実に決めていく作戦だったようだ。
いわゆる「予選の滑り」というやつである。
全国区から比べてレベルが高い選手が多い関東地区、こういった部分でもプロ戦さながらの駆け引きが見れ、コンテストの上位を目指すライダーにとっては参考になったのではないだろうか。
決勝で表彰されたライダーは以下の8名
8位・小島ジョーイ
地元、茅ヶ崎柳島パークのローカル。
ビッグセクションが得意らしく、ハイスピードで次々とメイクを重ねたが、その分ミスをしたときのタイムロスも大きく、ぎりぎりでの表彰となった。
ハードスラムにも耐え、最後まで滑りきった精神力は見事!
7位・山岸倫生
今回の試合の中ではダークホース的存在でノーマークだったが、練習時間からかなり思い切りのいい動きで目立っていた彼、まだまだ荒削りだがこれといった弱点もなく、このまま経験を積めば将来の活躍がとても楽しみ。
試合後日に彼とスケートする機会があったのだが、まだまだトリックの引き出しは持っているようだ。
6位・飯田泰彦
今時のスケートを象徴するようなレール・マワシ・レッジな選手。
練習熱心で実力もかなりついてきたが、パンツの細さのせいか足の引き付けにやや難があるようで、回したデッキが足に絡まってしまう場面が何度かあったようだ。
スタイルを貫くというのもなかなか辛いものだ。。。
こちらも来シーズンあたりはさらに上位に食い込んできそうな気配。
5位・清野玲良
キッズながらもガッツある滑りでギャラリーから熱い声援をうけていた。
鍛えこんだ込んだ脚力でランディング力も高く、不安定な状況でもしっかりとメイクに繋げていた。
テールをヒットするスキルとパワーが付けば、より可能性が拡がりそう。
4位・傳田郁
地元湘南地区ではかなり人気キャラのスケーター。
毎回リラックスムードで終始コンテストを楽しむタイプのライダーだが、さすがに今回はギャラリーも多く、決勝ではやや緊張の様子。
その緊張感が功を奏したのか、いつになく集中した滑りでメイクを重ね、見事上位陣の一角に食い込んだ。
もともとエアバランス優れているのだが、最近の試合を見る限りでは、先輩達を習ってなるべく多くのセクションを使うようにしているようだ。
だが、そのために得意のアールをターンなどで犠牲にしてしまっているのが残念。
3位・西川礼
本番に強いタイプ。
それまでの練習を見る限り、誰が彼のこの順位を予想したであろうか。
試合前のあのダラ〜っとした雰囲気、もしかしたらあれは周りの選手を油断させるための作戦なのかもしれない。
しかし、よくよく考えれば彼はプロで活躍する西川誠の弟、そして大御所・キングスラーの息子なのである。
そういった環境を考えればこの結果も納得となるのだが。。。
2位・有馬昴希
横須賀のストリートパークで鍛え込んだバネは今回も健在で、エアー・オーリー共にアマクラスでは抜群の切れを見せるライダー。
技は増やすよりも磨くといったタイプなのか、JTエア・キックフリップ・FSスミスグラインドは今回もしっかりとメイク。
技を闇雲に増やしたがる若手スケーターが多いなか、こういった磨くタイプのライダーは後々に必ず他のライダーとは一線を画す存在になることだろう。
プロになったとしてもこのスタイルは貫いて欲しい。
1位・佐川涼
有馬昴希との激闘を繰り広げた今年度の最終戦を制したのは佐川涼。
通算ポイントも僅か一点差だというのだから、両者がいかに互いを意識した一年であったかは想像に難くない。
高さとスピードが持ち味の有馬に対し、佐川はテクニックとルーティンが特徴。
今回も新技をしっかりと決め、難しいと言われる鵠沼パークを時間内で無駄なく滑り抜け、最終戦にふさわしい見事な滑りで優勝を飾った。
全日本アマチュア選手権に舞台を移しても、この両者の激突は見どころの一つとなりそうだ。
写真・テキスト/後藤大輔
スケート業界の大ベテランの西川氏をはじめ、ショップの富田氏
そして3人が現役トッププロスケーター(立本和樹、才哲治、謝花明徳)
このプロ達にスケートを観てもらい、プロの目線から直接評価が下される、
それだけでも出場したスケーターにとっては大きな価値がある。
MCはおなじみこの人、ジェッツ森氏
時折襲いかかる霧雨で大会は2度も中断した。
スケーターの集中力コントロールが鍵を握る
〜決勝〜
作本泰己
松本温
Mickyこと大越幹央。
予選3位通過。大きい動きで観衆を沸かしていた。
前田拓人
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入賞者8名
8位:本橋瞭
持ち前のスピードと安定性でパークを駆け巡っていた。
小さいからだから繰り出される繊細なスケート。
7位:小林紗輝
6位:白井空良
5位:傳田郁
大きなトリックから回し系までバランス良くこなすイク。
安定性もスタイルも常に向上している。
4位:内藤寛人
ストリート系スタイル。回し系やレール、レッジ攻め、
軽くてクールなスタイルでスケート。
体も大きくなってきて見栄えがさらに良くなってきた。
3位:岸海
体は小さいが、複合トリックを武器にパークを駆け巡る岸海。\
細かい技も要所要所で繰り出していた。
2位:佐川涼
大きな技から回し、スピード、スタイル申し分なし。
とても1分とは思えないくらい、沢山のトリックを見せてくれた。
非常にバランスの良いトリック選択だった。
優勝:有馬昂希
スピード、高さ、レッジなど、パークスタイルもストリートスタイルも良かった。
難易度の高いトリックもさらっと流して組み込んでくる。
上位グループのレベルは高く、ジャッジが非常に難しいところだ。
最終的にジャッジは、有馬昂希の優勝という判決を下した。
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表彰
優勝の瞬間、自分の名前が呼ばれてるのに気づかず、
一瞬きょとんとする有馬昂希
上位3名
左から3位:岸海、2位:佐川涼、優勝:有馬昂希
回し系やスタイル、技の大きさやクオリティがさらに重要視されるようになってきた。
難易度だけでなく本来のスケートボードスタイルも重要な評価の対象に組み込まれる。
またセクションもより街中に近いものが増え、それを得意にしているスケーターも
自分を魅せる場面が増えてきたのか、色々な層のスケーターが徐々に集まるようになってきた。
全国の色々な得意ジャンルを持ったスケーターがより活躍できるように
これからも多種多様な大会を開催できるようにしたい。
PHOTO/TEXT / GBVert
いよいよ開幕となりました2011年度AJSA関東アマチュアサーキット、第一戦は神奈川県海老名市のX-DOMEでの開催。
若年齢化がすっかり定着した関東地区だが、今回も例外なく小・中学生を中心に若干の大人が混じるエントリー構成となり、会場は活気溢れるファミリーの声援につつまれながら進んだ。
スタッフはMCにジェッツ森、ジャッジには西川・富田・亀岡・立本・謝花、といずれも試合には慣れたメンツが揃い、練習前から選手達と盛んにコミュニケーションをとっていたようだ。予選は1分1トライ。
エントリーには初参加の選手もいたようだが、不慣れな雰囲気による緊張のせいかミスが目立ち全員が予選敗退、中にはガッツあるいい滑りだった選手もいるので、諦めずにまた次回チャレンジしてほしい。
決勝は若年ながらもすでに試合経歴はベテランの部類と言える選手ばかりが進み、とても見応えのある内容だった。
優勝はスイッチに定評のある佐川涼が見事なルーティンで獲得。
準優勝はスピードが冴えた有馬昴希、3位には全選手中最もバネの強い西村亮太がランクインした。
優勝・佐川涼
2位・有馬昴希
3位・西村亮太
4位・小林紗輝
5位・小林多聞
6位・岸海
7位・佐藤駿平
8位・白井空良
表彰された上位8名
メダル獲得上位3名
また、集計後、ジャッジ西川の推薦により、決勝でのダウンレールにてFSフィーブルをメイクした佐藤駿平に特別賞が贈られた。
特別賞・佐藤駿平(左から3人目)
さらに急遽、表彰後に会場全員を対象としたNIXONによるプレゼントゲームが行われ、会場は大盛況のうちに幕を閉じた。
次回の第二戦は6月23日、東京都・MAP'S東京で行われる。上位8名には上の写真のような豪華賞品もあるので是非トライしてみよう。
写真・文/後藤大輔