いよいよ、2014年のAJSAプロサーキットが開幕です!

初戦である「関西オープン選手権」が、北神戸田園スケートパークにて、5/17(土)、18(日)の2日間で開催されました。

天候に恵まれ、日中は強い日差しのもと、早くも熱中症対策が必要な程の状況となり、文字通りアツい戦いとなりました。

ここ数年で出場選手の顔ぶれも大きく変わってきましたが、各コンテストや映像・メディア等で活躍するノリにノッた若手選手を中心に、昨年の全日本アマでプロ資格を獲得したフレッシュなニューメンバーを加え、今もなお強い志を持ち続ける日本のシーンを築いてきた大ベテランのエントリーがあったり・・・
総勢23名のエントリーでしたが、幅広い層の選手がそろった初戦となりました。




パークの特性から、大きく分けて、RtoB・フラットバンク・ダウンレール・ステアを攻めるテクニカルなライン、ハの字R・ビッグクウォーターでダイナミックなエア・リップトリックで魅せるライン、外回りに配置されたカーブ・ピクニックテーブル・フラットレールをリズムとセンスで攻略していくラインの組み合わせが主流となるようですが、枠にとらわれない十人十色な構成は各選手の世界観を垣間見ることができ、プロの表現の深みを感じることができました。

ちなみに、選手が外回りラインに入ると、MCジェッツ森がすかさず、「外回り行ってきまーす!って、彼は営業マンなんですかね?」とのトークが入り、ギャラリーと滑走中の選手の笑いを誘っていたとか、いないとか・・・。





さて、予選の模様です。


大会規定では、エントリー数が24名未満の場合、16名による準決勝は行われないため、いきなり8名へ絞られることになります。それを当日知った選手も多かったようですが、ラインを調整し確実に決めてくるあたりはさすがです。

また、RtoBやダウンレールにややクセがあるようで、特に遠方からのエントリー選手が攻略に手こずっているなか、地元関西方面の選手を中心に、確実なメイクを重ねた選手が上位8位に残りました。

特に目立ったのは、予選1位通過の池慧野巨。

ステアでのbsフリップや、バンクでのノーリーブラインドサイドヒールをベースに、ハの字Rでのギャップオーバーフリッピー、ビッグクオーターでのブラント・ビッグスピンアウトなど、もはや映像向けとも言える難易度の高いトリックを連発し、会場を驚かせていました。





そして、決勝の様子です。

今回は、プロ選手一人ひとりのカラーをたくさんの皆さんに知って頂きたく、ミニインタビューを行ってみました。写真とともにお楽しみください。

また、プロを目指す次世代の皆さんは、今後の参考にして頂けると嬉しいです。


今回のミニインタビューはコチラ↓

「Q: 今回のラインでこだわったことは何ですか?」




優勝:佐川海斗(ムラサキスポーツ横浜クイーンズスクエア)


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fsflip-over-rail

驚愕のメイク率でキレのあるクリーンなトリックを連発するとともに、レール越えのfsフリップ、ハの字Rでのトランスファーのキックフリップfsリップスライドなど、ハンマートリックをも完璧にメイクした佐川海斗が初戦を制しました。

Q: 今回のラインでこだわったことは何ですか?

A: 一番はメイク率の高さにこだわりました。そのために大会前はこのパークのセクションを意識して練習していました。



準優勝:笹岡賢介(カジノドライブ)


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Rを中心に、徹底的にトップスピードでラインを攻め続け、特にハの時Rでの完成されたスムースなトランスファーノーズグラインドや、ビッグクオーターでの尋常ではない高さのfsエアなど、大きなトリックを次々と放り込んだ笹岡賢介が準優勝。

Q: 今回のラインでこだわったことは何ですか?

A: 誰よりも高く飛ぶことです。



3位:西川誠(ムラサキX-DOME)


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ビッグクオーターでの、リーンtoハンドフリップテールや、bs360ボンレスなど渋さが光るリップトリックをはじめ、カーブ・レールをバランス良く攻略し、バンクでビックスピンヒールをサラリと入れてくるあたりが試合巧者な西川誠が、上位と1ポイント差で第3位。

Q: 今回のラインでこだわったことは何ですか?

A: カーブボックスからのアールからのレールからのフラットバンクというラインにこだわりました。一通り皆のラインを見たところ、この連続ラインはしてないと思いやってみました。



4位:笹岡堅志(カジノドライブ)


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RtoBでスタイル溢れるトゥイーク、ハの字Rでトランスファーテールグラブエア、ビッグクオーターでの成熟感あるハンドプラントなど、小気味良いテンポでラインを構成した笹岡堅志が第4位。

Q: 今回のラインでこだわったことは何ですか?

A: 自分なりのスタイルで滑ることを心掛けました!!



5位:奥野光基(ハックルベリー)


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ハの字Rでのトランスファーfsテールスライドからのfa360アウトや、ビッグクオーターでのbsアリウープバリアルなど、唯一無二な攻めのトリック構成を貫いた奥野光基が、上位と1ポイント差でプロデビュー戦を第5位でフィニッシュ。

Q: 今回のラインでこだわったことは何ですか?

A: 初めてのプロ戦だったので、見ている人に「やっぱりプロはすごいな」って思ってもらえるように、なるべく難しい技に挑戦するようにしました!!



6位:平松凱(ムラサキスポーツ泉南)


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RtoB、バンク、カーブ、レール、クオーターと、全てのセクションをバランス良く攻め、特にRでのクリーンなバリアルヒール、ビッグクオーターでのbsクレイルやミラーフリップにインパクトがあった平松凱が、プロデビュー戦を第6位でフィニッシュ。

Q: 今回のラインでこだわったことは何ですか?

A: ラインにこだわりはありません。Rは自分がカッコイイと思うトリックをやりました! 田園のRはスライドの音が気持ちいいのでスライド系のトリックを入れました。写真のトリックは新しく練習していたトリックなので、決まってホッとしました。



7位:小林紗輝(ダブルフェイス)


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RtoBでの大きなbsグラブシフトエア、ダウンレールでの安定感あるスミスをベースに、ビッグクオーターでのフェイキー540ビッグスピンフリップや、Rからダイレクトにバンクセクションの切れ目を狙った50-50など、ヒネリの効いたラインで攻めた小林紗輝が第7位。

Q: 今回のラインでこだわったことは何ですか?

A: 「今までの自分のイメージを変える」です。今までは回し技をちょこちょこっと入れて、ちょっとぶっ飛んでみたいな感じでした。ですが今回はエアー系の技を増やしたり、自分の今までの印象を少し変えて挑んでみました。



8位:池慧野巨(iS OLLiES)


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ハの字Rでのギャップオーバーフリッピーというスーパートリックを決めてきたものの、予選より更に難易度を上げたラインを、惜しくも攻略しきれなかった池慧野巨が第8位。

Q: 今回のラインでこだわったことは何ですか?

A: 難易度の高い技をたくさん入れることにこだわりました。ルーティーンは直前まで迷っていて、それが本番に出てしまって悔しいです。



以上の結果になりました。










プロ戦は、トリックの完成度はもちろん、選手の個性(スタイル)や、試合としての駆け引きなど、見ているだけでワクワクするエンターテインメント性がたくさんあります。

このリポートを見て頂いている皆さん、是非会場にお越し頂き、実際に観戦してみませんか?
きっと刺激的な1日を過ごすことができますよ!

Photo & Text : ta-low